EXHIBITION

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  • 設楽知昭
  • 赤 い
  • 2017.09.30 Sat - 2017.10.22 Sun
    • 設楽知昭アセット 1

 この度、STANDING PINEでは設楽知昭よる5回目の個展を開催致します。「赤い」と名付けられた今回の展覧会はまさに赤を多用した作品が中心となります。《赤い雲》は長野のフェルト工房で作家自身が手作りで巨大フェルトを作成し、ガラスペンを用い赤い顔料インクで描かれてます。他に《ウルトラの母の街・・》、《青くんと黄いろちゃん》、《壜のなかの小さな人》、ドローイング《怪物ファイル》などのタイトルが示すように、この度の新作も興味津々です。
 

個展「赤い設楽知昭の絵」にむけて  設楽知昭
 
 病院に「セミの図鑑」を持って行った。待合で妻と観ていると妻の気分が悪くなった。
ストレッチャーで点滴を受ける姿を妄想したがそのようなことはなく暫くして気分は良くなった。
 
 少年の頃は夏の毎日セミ捕りに出かけた。長い竹竿の先にトリモチをつけて何匹も捕った。
アブラゼミが多かったが時々クマゼミも捕った。そして死んでしまったセミを穴に埋めた。
場所はまちまちで特に墓ということではなかった。
 
 私は特に目が良いということはないが木々のなかからセミを見つけるのは得意かもしれない。
そのようにして多くの絵画のなかから面白いと思う絵を見つけた。昔の絵からも今のこの世界の様子からも。
 
 赤い色は土のなかの色であり体のなかの色でもある。赤い色はうすく染みたり固まったりする。酸化鉄は鉄であり宇宙の大きな星が最後にたどりつく物質。そして血液のなかを巡るもの。
 
 ストレッチャーで点滴を受け永遠の薬液で満たされることを妄想した。



《インク壜のなかの小さな人》
2017 油彩、顔料インク、真鍮、壜 H=7.7cm


《針金と紙でつくった大きな瞼》 2016 油彩、針金、楮紙 21.5cm×77.5cm